ビジュアル制作に詰まったら階段を設計する

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デザイナー 岡田大悟

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「イメージを言葉にはできるのに、ビジュアルに落とせない」

デザインに関わる人なら、一度はそういう詰まり方をしたことがあるのではないだろうか。

「信頼感」、「プロフェッショナルなイメージ」など伝えたい印象を言葉にまとめるところまではできても、いざ手を動かすと「何か違う感」に悩まされる。つまり、言語化したイメージを非言語のビジュアルへうまく翻訳できないのだ。

この「翻訳の壁」への対処法として最近しっくりきているのが、言語と非言語の間に「階段を設計する」という考え方だ。

粗い抽象を、もう一段細かい抽象に降ろす

きっかけは同期デザイナーとの1on1だった。丁寧なビジュアルを出し続けている彼女もまた、「企画を言葉でまとめるのは得意だけど、ビジュアルへの翻訳に苦戦する」と話していた。

ただ、印象に残ったのはその後だ。彼女が先輩との壁打ちで受け取っていたのは、たとえばこんな問いだったという。

「それは明朝体の信頼感なのか、ゴシック体の信頼感なのか」

「信頼感」という言葉だけを握って配色や書体を決めようとしても、手が止まる。粗すぎて、具体まで落としきれていないのだ。そこに「明朝の信頼感か、ゴシックの信頼感か」という一段細かい抽象が挟まると、ようやくタイポグラフィ選定という具体的な判断に手が届く。「信頼感」と「書体選び」の間には、本来こうした中間の段がいくつも必要だった。

自分はこれを「言語化と非言語化の間に階段を設計する作業」だと理解した。「具体と抽象をとにかく行き来し続けるのがコツ」と彼女は言っていたが、その行き来自体が難しいからこそ、間の階段を設計して一段ずつ詰めていく作業こそが、翻訳の壁への対処法になる。

壁にぶつかったら原因を3つに切り分ける

振り返ると、ビジュアルの検討で壁にぶつかって詰まったときは、原因の切り分けができていなかった。「階段を設計する」対処法が効くのは、詰まりの原因が階段そのものにある場合だけだ。整理すると、詰まりは階段のどこで起きているかでおおよそ3つに分けられる。

  1. 階段の手前:そもそも言語側の分析や優先順位付けが甘い
  2. 階段そのもの:言語化はできているが、非言語への階段設計ができていない
  3. 階段の先:階段までは作れたが、最後の具体選定(観察力)が弱い

これまでは、この3つの状態を混同したまま「なんとなく決まらない」で止まっていた。階段を設計する作業が効くのは2の場合で、1なら言語側に戻る必要があるし、3なら観察力を磨くか他者を頼って切りひらくのも手段だろう。

まず自分が壁にぶつかった時にどこで詰まっているかを見極める。それだけで、今後の詰まり方への解像度はかなり変わりそうだ。

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